家賃支援給付金について賃貸人から署名がもらえない問題
家賃支援給付金
家賃支援給付金制度の不備
政府が新型コロナウイルス感染症拡大の対策として制度化した家賃支援給付金ですが,おかしなことになっています。
賃貸借契約書上,①2020年3月31日と②申請日現在が賃貸借契約期間に含まれていないと,「賃貸借契約等証明書」という書式に賃貸人にサインをしてもらうことが必要で,その証明書がないと支給できないというのです。
賃料の増減額や立退き問題で賃貸人と賃借人が紛争状態にある場合,借地借家法26条に基づいて,法定更新の状態にあるケースが相当数あります。
法定更新は,借地借家法に基づく制度ですから,賃貸借契約書上の賃貸借契約期間に上記①②が含まれていなくても,法定更新である旨の賃借人からの説明があり,賃料支払実績が確認できれば,法定更新による賃貸借契約の存続を政府側で認めてしかるべきです。
しかし,現在の制度はそうなっておらず,中小企業庁は「賃貸借契約等証明書に賃貸人の署名がないとダメ」と非常に頑なな運用をしていると聞いています。
これは法制度からして不合理な自体というべきであり,制度改正・運用改善が必要です。
現実的な対応は
もっとも,この制度に基づく申請期間は2021年1月15日までとされており,制度改正・運用改善を待っている時間の余裕がありません。
賃貸人から「賃貸借契約等証明書」に署名がもらえなくて困っているというご相談の場合,私は,「仮の地位を定める仮処分」手続での解決等をご提案しておりますので,ご相談ください。
その他のコラム
不動産鑑定士登録、不動産鑑定業者登録を行いました
お知らせ
不動産鑑定士の実務修習を無事に終えましたので、不動産鑑定士登録(登録番号:第10982号)と
不動産鑑定業者登録(名称:秋山不動産鑑定事務所、登録番号:東京都知事(1)第2935号)を行いました。
今後、不動産鑑定士の知見を生かした業務にも注力していきたいと思います。
漏水事故トラブルの難しさ
漏水事故
漏水事故のトラブルについて相談を受ける機会が多いのですが、漏水事故は、例えば交通事故と比べても、困難なケース・こじれてしまっているケースがかなりあるという印象です。
その原因を考えてみました。
1 関係当事者が多数・複雑
例えば分譲マンションで賃貸に出している部屋同士で漏水があったような場合、上階の区分所有者、上階の賃借人、上階の賃貸管理会社、下階の区分所有者、下階の賃借人、下階の賃貸管理会社、マンション全体の管理会社、管理組合、そして関係者が加入する保険会社が関係当事者になることが考えられます。保険会社も複数関与したりします。関係当事者の中に、漏水原因の調査に消極的な当事者がいたりすると困難を生じることがあります。
2 漏水事故原因が多様で、究明に専門的知識が必要
漏水事故の原因は多様ですが、漏水原因が判明しなければ、責任の所在が明らかになりません。
初回相談料を改定しました
お知らせ
初回相談料につきまして,相談件数の増加に伴いまして,60分以内5,500円(消費税込)と改定させていただきました。
初回相談は,予約制で,60分の枠をお取りしております。原則として,当事務所での面談相談としておりますが,Zoomによるご相談も対応可能です。
家賃支援給付金について賃貸人から署名がもらえない問題
家賃支援給付金
家賃支援給付金制度の不備
政府が新型コロナウイルス感染症拡大の対策として制度化した家賃支援給付金ですが,おかしなことになっています。
賃貸借契約書上,①2020年3月31日と②申請日現在が賃貸借契約期間に含まれていないと,「賃貸借契約等証明書」という書式に賃貸人にサインをしてもらうことが必要で,その証明書がないと支給できないというのです。
賃料の増減額や立退き問題で賃貸人と賃借人が紛争状態にある場合,借地借家法26条に基づいて,法定更新の状態にあるケースが相当数あります。
法定更新は,借地借家法に基づく制度ですから,賃貸借契約書上の賃貸借契約期間に上記①②が含まれていなくても,法定更新である旨の賃借人からの説明があり,賃料支払実績が確認できれば,法定更新による賃貸借契約の存続を政府側で認めてしかるべきです。
しかし,現在の制度はそうなっておらず,中小企業庁は「賃貸
不動産鑑定士試験の短答式試験に合格
雑感
5月9日に受験した,不動産鑑定士試験の短答式試験(マークシート方式の試験)の合格発表が本日あり,合格していました。
受験者数は1709人で,合格者が621人とのことなので,約36%の合格率でした。
受験科目は,不動産鑑定評価理論と,不動産に関する各種行政法規になります。
不動産鑑定士試験は,短答式試験の合格者が,その年,翌年,翌々年と3回まで論文式試験を受験できますが,論文式試験の合格率は約15%前後という難関試験です。
マークシート方式の短答式試験は何とか突破できましたが,正直,弁護士業務が相当忙しいので,論文式試験の勉強は進んでいません・・・。
気長に構えて,すきま時間でコツコツと勉強していきたいと思っています。