ご相談者様は賃貸アパートに居住されていましたが,複数回にわたり,上階から天井・壁に激しい漏水(汚水漏れ)があり,高額な家財を含む家財道具等が汚水に濡れる被害を受けました。
賃貸人側から,用法違反等を主張して建物明渡請求の裁判を起こしてきたということで,ご相談を受けました。
契約前に支払った「保証金」の返還請求
不動産売買法人相談前
相談者(法人)は,ある物件の売買交渉を業者と行い,業者から交渉にあたってまず「保証金」として約300万円を預けるように言われ,業者に預けました。しかしその後売買交渉は流れ,依頼者が業者に保証金の返還を請求しましたが,業者は言を左右にして,返還に応じませんでした。
相談後
ご相談を受け,約300万円の返還請求権を保全するため,業者が所有している当該物件について仮差押を申立て,裁判所の仮差押決定を得ました。
その上で不当利得返還請求の裁判を起こしました。業者は,「口頭で売買契約は成立しており,約300万円は手付金だから,手付金は売買契約の解除の際に放棄された」とか,「保証金預り証には返金に応じる場合について条件が記載しており,その条件を満たさない」といって争いました。
しかし,審理の結果,当方の主張に理があると裁判所に認められ,裁判所が間に入っての和解交渉の結果,約8割を一括で返還してもらうことで和解が成立しました。実際に支払を受けることもできました。
弁護士からのコメント
業者が「保証金」の返還に応じなかった理由は,資金繰りに充ててしまったことによるものであることも疑われましたが,物件の仮差押をしたことが効いたと思われ,何とか8割の返還を実現できました。
いったん支払ったお金を取り戻すというのはなかなか大変な作業ですが,弁護士に依頼して法的手続を取ることで,実現できる場合がありますので,ご相談ください。
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