不動産トラブルに強い弁護士なら弁護士秋山直人

瑕疵担保責任(契約不適合責任)に関するトラブル

 

瑕疵担保責任から契約不適合責任へ

 
2020年4月1日に改正民法が施行されました。改正前民法では「瑕疵担保責任」とされていた問題が,新法では「契約不適合責任」と名称を変更され,責任の内容も多少変わりました。
 
改正前民法の「瑕疵担保責任」について,「瑕疵」とは,「売買の目的物が通常有すべき品質・性能を備えていないこと」と解されていました。判例(最高裁平成22年6月1日判決)は,「通常有すべき品質・性能」に関して,「売買契約の当事者間において目的物がどのような品質・性能を有することが予定されていたかについては,売買契約締結当時の取引観念を斟酌して判断すべき」と判示していました。
 
改正民法562条1項では,売買契約において「引き渡された目的物が種類,品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるとき」に,買主は売主に対して,目的物の補修,代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる「履行の追完」を請求することができる,と規定しています。
 
また,改正民法563条1項は,買主が相当の期間を定めて「履行の追完」の催告をしたが,履行の追完がないときは,買主は,不適合の程度に応じて「売買代金の減額」を請求することができる,と規定しています。
 
さらに,改正民法564条1項は,改正民法415条の規定による「損害賠償請求」や,改正民法541条・542条の規定による「契約解除権の行使」もできると規定しています。
 
このように,改正民法では,契約不適合責任に基づき売主に請求できるメニューが「履行の追完」「売買代金の減額(履行の追完がないときに限る)」「損害賠償請求」「契約解除権の行使」と,改正前民法の瑕疵担保責任よりも増えました。契約解除ができる要件も緩和されました。
 
「契約不適合」といえるかについては,改正前民法でいう「瑕疵」の解釈と同様に,契約の趣旨や取引通念を踏まえて,売買目的物が有するべき品質・性能を確定した上で,実際の売買目的物が当該品質・性能を有するかを判断する,という解釈枠組みが妥当するといえます。
 

契約不適合責任が問題になる場面

 
契約不適合責任は,様々な場面で問題になります。
 
土地については,地盤が軟弱であり不同沈下が生じた場合,擁壁が崩壊した場合,地中埋設物がある場合,土壌汚染が検出された場合などに問題となります。
 
建物については,雨水の浸入を防止する部分の雨漏り,建物の構造耐力上主要な部分の腐食,防火性能に問題がある場合,シロアリ被害が発見された場合,給排水管・排水枡の故障等々の場合に問題となります。
 
物理的な不備に限らず,例えば土地が建築基準法上の接道義務を満たしていないとか(法律的な瑕疵・契約不適合),建物内で殺人事件や自殺があった(心理的瑕疵・契約不適合)といった場合にも問題となります。
 

瑕疵担保責任・契約不適合責任を制限する特約

 
瑕疵担保責任・契約不適合責任については,民法上は,買主がその瑕疵・不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知すれば行使できるとされていますが(民法566条),実際には,売買契約書で民法よりも責任追及期間を短くしたり,責任追及の対象を狭くしていることが通常です。
 
例えば,中古建物付き土地の売買契約書では,責任追及期間を「引渡しから3か月以内」と短く制限したり,建物について契約不適合責任を追及できる場合を「雨水の浸入を防止する部分の雨漏り」「建物の構造耐力上主要な部分の腐食」「シロアリの害」「給排水管・排水枡の故障」に限定するとしたり,契約不適合責任に基づいて請求できる内容を「修補に限る」と限定したりする例が良く見られます。
 
ただし,売主が宅地建物取引業者の場合には,宅地建物取引業法40条により,契約不適合責任の責任追及のための通知期間を「引渡しの日から2年」と制限する特約を除いては,民法の規定より買主に不利となる特約をしてはならず,そのような特約をしても無効とされています。
 
なお,新築住宅については,瑕疵担保責任の責任追及期間が長くなっており,住宅の品質確保の促進等に関する法律95条で,売主は,買主に新築住宅を引き渡した時から10年間,住宅の構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるものの瑕疵について,瑕疵担保責任を負うものとされています。
 
以上のように,民法の規定と異なる特約があることが多いため,瑕疵・契約不適合の問題が生じた場合には,まず売買契約書の規定を確認し,責任追及期間内かどうかや,責任追及の対象といえるかを確認する必要があります。
 
一点注意すべきは,責任追及期間が過ぎていたとしても,売主が,当該瑕疵・契約不適合について売買契約時に知っていたか,又は知らなかったことに重大な過失がある場合には,売主は責任追及期間の制限が過ぎたことを主張できないことです(民法566条但書)。
 
売主が,当該瑕疵・契約不適合を知っていたはずといえる確実な証拠がある場合には,責任追及期間が過ぎていても,責任を追及できるケースがあります。
 

瑕疵担保責任・契約不適合責任に関するトラブルを弁護士に依頼するメリット

 
瑕疵担保責任・契約不適合責任に関するトラブルは,瑕疵・契約不適合といえるかどうか,いえる場合に責任制限期間を過ぎていないか,責任追及のメニューとしてどれを選択し,どのような解決を目指すかなどの点で,法律の専門知識や経験が必要となってきます。
 
こうしたトラブルは,知識・経験のある弁護士に解決を依頼することで,売買代金と売買物件の品質・性能との不均衡を正すことにつながります。

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